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大規模修繕にはいくら必要なのか費用やコンサル料などもあわせて解説!

大規模修繕の豆知識 2022.01.11 (Tue) 更新

大規模修繕17-min

「マンションやアパートの大規模修繕にはいくらかかるのか」
「大規模改修の細かな費用相場を知って、備えたい」

そのようなオーナーさんや大家さんは多いのではないでしょうか?

この記事では、大規模修繕にはいくら費用が必要になるのか、詳しく紹介します。
これから大規模修繕を控えているマンションやアパートの大規模修繕を控えているオーナーさん、大家さんはぜひ参考にしてください。

 

大規模修繕にはいくら必要なのか

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マンションやアパートなどの大規模修繕にはいくら必要になるのかというと、その建物の築年数や規模などで変わります。

大規模修繕の回数ごと、マンションの規模、アパート、コンサルタント料などの費用を詳しく解説します。

大規模修繕の1回目、2回目、3回目の費用相場はいくら?

大規模修繕は、だいたい12年周期で行うのが一般的です。

ただし、国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1回目の修繕は築13〜16年前後、2回目は築26〜33年前後、3回目以上は築37〜45年前後で実施されるものとしています。

それぞれ回数ごとの費用相場は、1回目は1戸あたり平均100万円、2回目は平均97.9万円、3回目以上は平均80.9万円です。

1平方メートルあたりでは、1回目が13,095.9円、2回目が14,634.9円、3回目以上になると 11,931円になります。

マンションの大規模修繕の費用相場はいくらかかるのか

マンションは、戸数ごとに区分されます。
50戸以下を「小規模マンション」、100戸以上を「大規模マンション」と考えるのが一般的です。

小規模マンションを修繕する場合、1回目は4001〜4500万円、2回目は3,001〜3,500万円、3回目以降は同率で2,001〜2,500万円、3,501〜4,000万円、4,001〜4,500万円が費用相場となっています。

大規模マンションの場合は、1回目は1億1万円〜1億2,500万円、2回目は同率で7,501〜8,000万円、9,501万円〜1億円、3回目も同率で4,501〜5,000万円、6,001〜6,500万円、6,501〜7,000万円とされています。

アパートの大規模修繕の費用相場はいくら?

アパートとマンションの違いに、法で定められた定義はありません。
しかし、アパートは、マンションより戸数が少ない2階建てまでの、木造や軽量鉄骨造りの集合住宅を指す場合が多いです。

ここでは、国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」を参考に、木造アパート1K×10戸、木造1〜2LDK×10戸の例を紹介します。

木造1K×10戸の場合、築11〜15年で1戸あたり約52万円で、棟あたりに換算すると約520万円かかります。
木造1〜2LDK×10戸の場合、同じ築年数で、1戸あたり約64万円、棟あたりに換算すると約640万円になる計算です。

コンサルタント導入の費用相場はいくら?

大規模修繕のコンサルタントとは、大規模修繕の知識を持った専門家のことです。
どのような工事が必要なのか、この修繕費は妥当なのかなどを、専門家の視点からサポートしてくれます。

コンサルタントの導入にかかる費用相場は、101〜200戸で500〜700万円程度、201〜400戸で700〜1,000万円程度とされています。

工事別の価格相場はいくら?

大規模修繕で主に修繕されるのは、外壁工事、仮設工事、防水工事です。
外壁工事は、主に外壁塗装の比率が多く、約25%を占めます。

建物の塗装によく使われるシリコン系塗料を例にすると、1,800〜3,500円/平方メートルが価格相場です。
仮設工事は、足場や養生シート、防犯柵などの安全対策、作業員のトイレなどのことを指します。

修繕費用のだいたい20%が、仮設工事の費用にあたります。
修繕工事の総額が約2,000万円の場合、400万円程度が仮設工事費になるでしょう。

防水工事は、屋上やバルコニーの床の防水層を塗装し直して修繕することです。
修繕にかかる費用は、工法と修繕する範囲によって変わります。

1平方メートルあたり、アスファルト防水の場合は、3,800〜22,000円、シート防水工法の場合は3,000〜15,000円、FRP防水の場合は1,500〜10,000円となっています。

 

大規模修繕の費用の算出方法

大規模修繕には、多額の費用がかかるので、周期にあわせて資金を用意しておかなければなりません。
その算出方法を紹介します。

修繕積立金と平均相場

大規模修繕は、居住者から毎月決まった金額を徴収した「修繕積立金」を使います。
平成30年度の国土交通省の調査では、修繕積立金の平均は11,243円となっています。

算出式は、以下です。

Z=(A+B+C)÷X÷Y

A:計画期間当初における修繕積立金の残高(円)
B:計画期間全体で集める修繕積立金の総額(円)
C:計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額(円)
X:マンションの総専有床面積(平方メートル)
Y:長期修繕計画の計画期間(ヶ月)
Z:計画期間全体における修繕積立金の平均額(円/平方メートル・月)

修繕積立金の積立方法

修繕積立金の積立方法には、均等積立方式と段階増額積立方式があります。

均等積立方式は、長期修繕計画で計画された修繕工事費の累計額を、計画期間中、均等に積み立てる方式です。
段階増額積立方式は、当初の積立額を抑え段階的に値上げする方式を指します。

安定的に資金を集めるには均等積立方式、新築時に修繕積立金の金額が安いのは後者になります。

修繕積立金が不足した際の対策

物価の上昇や修繕内容の見直しなどがあり、当初予定していたよりも費用がかかるケースもあります。
その場合、修繕積立金では費用をまかなえなくなる可能性もあるのです。

対策は、公的機関や金融機関からの借入や、居住者から一時金の徴収になります。
借入は返済義務があること、一時金は居住者の理解が得られず徴収するのに苦労するということが考えられます。

 

大規模修繕の費用を抑える方法

しっかりと修繕積立金を用意していても、不足することはあります。
修繕工事の直前になって「費用が足りない!」ということにならないために、大規模修繕の費用を抑える方法を紹介します。

建物の現状を知る

大規模修繕の実際の費用を知るために欠かせないのが、建物診断です。
建物診断とは、建物の状況を知る検査のことです。

図面やそれまでの修繕履歴などを確認して行います。
修繕の必要性や修繕すべき箇所、するべき時期などを検討するのに使える情報が得られ、費用の削減につながる可能性もあります。

誰と組むか決める

大規模修繕を進めていくうえで誰をパートナーにするかも、費用を抑えるのに欠かせません。

管理会社や専門のコンサルタントなどに依頼します。

管理会社は、建物の管理をする団体です。
コンサルタントは、大規模修繕について熟知した専門家のことを指します。

大規模修繕は、管理会社に依頼するのが一般的です。
オーナーさんや大家さんにとって馴染みがあり、安心できる相手です。
しかし、工事価格や施工品質が不透明になる場合があります。

コンサルタントは中立的な立場で、修繕工事までの期間をサポートしてくれるプロフェッショナルです。
しかし、管理組合とは違い、依頼には費用がかかります。

予算に合わせたパートナーを選択しましょう。

相見積もりをする

相見積もりは、複数の業者から見積もりを取って費用や工事内容を見比べる方法です。
大規模修繕のような、大掛かりで多額の費用がかかる工事以外でも行います。

見積もりを見比べることで、工事内容や費用が適正かどうかわかります。
2〜3社に依頼するのが一般的です。

こまめな定期点検とメンテナンス

こまめな定期点検やメンテナンスを行いましょう。
劣化や故障を起こしている箇所を早期発見し、直すことは、建物の寿命を延ばすこと、大規模修繕時の費用を抑えることにつなげられます。

大規模修繕のときだけでなく、定期点検やメンテナンスも欠かさないようにしましょう。

 

いくらかかっても大規模修繕をやるべき3つの理由

大規模修繕をすることで得られるメリットには、2つあります。

資産価値のアップ

ひとつは資産価値のアップです。
大規模修繕は、建物の見た目や機能性を新しくします。

見た目や機能性の面で、近隣のマンションやアパートとの差別化が図れれば、入居したいと思う人も増えるでしょう。
入居者が増えると、資産価値の向上につながります。

安全性のアップ

2つ目は安全性のアップです。
建物の老朽化は、住む人の安全を脅かす可能性があります。

劣化した壁の一部が剥がれ落ちたり、雨漏りを起こせば躯体が傷んだり、倒壊したりすることも考えられます。
安全に配慮した建物は入居者にとって住みやすい建物なので、自然と入居率もアップすることが考えられます。

 

大規模修繕はいくらかかるかは建物次第

大規模修繕12-min

大規模修繕の費用がいくらかかるかは、建物の大きさや劣化症状に応じて変わります。

もともと予定していた長期修繕計画の通りに行くことは稀です。

特に、2回目、3回目の修繕前には、建物診断や長期修繕計画の見直しなどを行い、実際の建物の状態を確認し、いくらかかるのかを出してみましょう。