スタッフブログ塗装に関するマメ知識やイベントなど最新情報をお届けします!

2回目の大規模修繕の費用相場や修繕のポイントなどを解説

大規模修繕の豆知識 2022.01.01 (Sat) 更新

大規模修繕6-min
1回目の大規模修繕は準備万端。
しかし、2回目の大規模修繕については何を準備していいかわからない、というマンションの大家さんやオーナーさんも多いのではないでしょうか?

「2回目の大規模修繕の費用はどのくらいかかるのか?」
「1回目と2回目の修繕の違いとは?」

と気になる人に参考にして欲しい、2回目の大規模修繕について解説します。

 

2回目の大規模修繕の費用目安

費用3-min

2回目の大規模修繕の費用目安は、1戸あたり約75〜100万円と、1回目の工事費用の目安と変わりありません。
床面積あたりだと、1回目が8,000〜18,000円/平方メートル、2回目だと9,000〜16,000円/平方メートルが目安になります。

2回目の費用相場が高いのは、1回目よりも修繕箇所が多くなることがあるためです。

 

2回目の大規模修繕の主な修繕箇所と工事の価格相場

見積書2-min

大規模修繕の2回目の主な修繕箇所は、外壁・防水・仮設工事です。
国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、2回目は給水設備の修繕の割合が大きくなります。

外壁工事の価格相場

外壁工事の中から、外壁塗装の価格相場を紹介します。

外壁塗装でよく使われるシリコン系塗料の場合だと1,800〜3,500円/平方メートル、高性能なフッ素系塗料の場合だと3,000〜5,000円/平方メートルになります。

防水工事の価格相場

防水工事とは、屋上やバルコニーの床の防水層を塗装し直して修繕することです。

修繕にかかる価格は、アスファルト防水の場合、3,800〜22,000円/平方メートル、シート防水工法の場合は3,000〜15,000円/平方メートル、FRP防水の場合は1,500〜10,000円/平方メートルになります。

仮設工事の価格相場

仮設工事には、仮設事務所、仮設トイレ、安全対策などが含まれます。

国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、仮設工事の費用の割合は約20%となっています。
大規模修繕の1戸あたりの費用相場が75~100万円であれば、15~20万円が相場になります。

給水設備の価格相場

給水設備とは、給水管や排水管、ガス管のことです。
修繕方法には、更生と更新があります。

管の内側をきれいにする「更生」の場合は10〜50万円、最新のものに取り替える「更新」の場合は30〜145万円です。

2回目の大規模修繕では、だいたい工事費用の10%程度を占める工事になります。
2,000万円の工事なら、200万円という計算です。

 

2回目の大規模修繕の費用が足りないときの対策

費用5-min

大規模修繕の費用が足りないときの対策を紹介します。

修繕費の見積もりが大まかだったり、1回目の修繕にお金がかかりすぎたりすると、2回目のときに資金が不足する恐れがあります。
そのため、大規模修繕の計画書である「長期修繕計画」を定期的に見直し、誤差を埋めておかなければなりません。

費用が足りないときの対策には、

・不足分の徴収
・積立金額をアップさせる
・金融機関からの借り入れ

などがあります。

不足分の徴収

事前に不足しそうな金額を割り出して、居住者から徴収する方法になります。

メリットは、金利がかからないことと、せっかく支払ったのだからと、居住者が長く住もうと思うきっかけになることです。

デメリットは、居住者にとって出費になるため、反発が起きることも考えられることです。
入居の際に、一時金徴収の可能性があることを伝えておくと、理解が得られやすくなります。

修繕積立金の額をアップさせる

月々の修繕積立金を値上げする方法です。

まずは、大規模修繕の費用を出すときに必要な「長期修繕計画」を見直します。
不足金額が割り出せれば、修繕積立金を値上げして不足分を補うことができます。

この場合も、不足分の徴収と同じく、入居者からの反感を買ったり、新しく入居を考えている人が入居を躊躇ったりする可能性が考えられます。
値上げする金額の妥当性を知るには、ほかのマンションの修繕費を参考にしたり、相見積もりをとったりして確認してみましょう。

金融機関からの借り入れ

金融機関から資金を借り入れるのは、不足金を補う手段のなかでも即効性のある方法です。
しかし、借り入れは、利子が付き、最終的には返済をしなければなりません。

どの方法を取る場合でも、そもそもの修繕積立金が不足しないよう、専門家の話を聞きながら長期修繕計画を練ったり、見直したりしておきましょう。

 

2回目の大規模修繕を行うタイミング

カレンダー2-min

2回目の大規模修繕を行うタイミングを解説します。
大規模修繕は、12年ごとに行うのが一般的です。

しかし、国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1回目は13〜16年、2回目は26〜33年など、12年以上経ってから行うこともあります。

しかし実際は、そのときの建物のコンディションによってタイミングが前後する可能性もあることを覚えておきましょう。

 

2回目の大規模修繕のポイント

住宅-min

2回目の大規模修繕のポイントは、

・時代に合わせた最新の状態にする
・修繕すべき箇所を3回目に持ち越さない
・修繕箇所を検討する

という3つがあります。
2回目の大規模修繕を成功させるための参考にしてください。

時代に合わせた最新の状態にする

1回目と2回目の大規模修繕の間には、10年以上のブランクがあるのが一般的です。
その間、居住者が住居に求めるニーズや、マンションの見た目、機能性などの流行は変わるでしょう。

設備やデザインなどを新しくすることで、既存の住民の満足度を上げると共に、新しい入居者に「ここに住みたい!」と思わせる効果を期待できます。

また、居住者の年齢層も、年々高くなることが予想されるので、手すりをつける、段差をなくすなど設備をバリアフリーに改良する必要もあります。

修繕すべき箇所を3回目に持ち越さない

3回目以上の大規模修繕は、新築から37〜45年後になる場合が多く、経年劣化も進むことが考えられます。
2回目の大規模修繕工事をしっかりと検討したうえで行わないと、3回目で修繕しなければならない箇所が増えるのです。

2回目の大規模修繕を抜かりなく行えば、3回目の修繕費用が膨大になるのを防ぎます。

修繕箇所を検討する

1回目の大規模修繕工事の後は、2回目の大規模修繕の内容を見直してみましょう。
修繕内容を見直すことで、無駄な工事を省くことができ、適正な修繕ができます。

また、結果として費用を抑えることにもつながります。
修繕計画を立てる前の建物診断や、大規模修繕の専門的な知識を持つコンサルタントの指示を参考にしてみましょう。

費用を気にして修繕を先送りすると、3回目の修繕までに故障を起こす可能性もあるので注意が必要です。

 

1回目の後は2回目の大規模修繕に備えよう

大規模修繕16-min

大規模修繕の内容は、1回目、2回目、3回目以上で異なります。
2回目は1回目よりも金額、工事範囲ともに大規模になることが多いです。

1回目のあとは、長期修繕計画や予算を見直し、早い段階から2回目の大規模修繕に備えるようにしましょう。